第9話 - 「人生の一大事」
「サン フラッシュを使うと、ヨーヨーが光って、チート武器が使えるようになるのか…」
ツヨシは静かに呟きながら、考えを巡らせていた。
「本当に驚きね…でも、これで魔物を倒せたし、無事に魔法の鏡も手に入ったわ」
ティナは、ツヨシの横で嬉しそうに言った。
その表情は、ほんの少しの疲れを感じさせるが、それでも確かな安堵と達成感に包まれていた。
二人は盗賊のボスから無事に奪った「魔法の鏡」を手に取った。
ティナは鏡の表面を優しく撫で、少し安心した様子を見せた。
「鏡が無傷でよかったわ。本当に、これで異次元の扉を開けられるのね…」
ティナの言葉に、ツヨシは頷きながらも、鏡の輝きをじっと見つめていた。
「それにしても、魔物が人間の姿をしていただなんて…。昼間は人間に化けていたから、魔物が出なかったのかもしれない」
ツヨシは深く息を吐き、考え込むように言った。
ティナはしばらく考えた後、目を細めて言った。
「夜になると、人間に化けていた魔物が、本当の姿に戻るのね…」
ツヨシは静かに頷き、遠くの闇に目を向けた。
「あとはもう、洞窟の奥で魔法の鏡を使うだけだな。うまくいけばいいんだが…」
彼の言葉には、少しの不安が混じっていた。
二人の視線が交わり、しばし沈黙が流れた。冷たい夜の空気が、彼らの間を包み込む。
時折、風が木々を揺らし、星の瞬きが静かな夜に響いた。
ティナは、ツヨシに話しかけた。
「もうずいぶん遅くなったわ。辺りは真っ暗よ。今、魔物が出ると危険よ。サン フラッシュもすぐには使えないし…」
ツヨシはこう答えた。
「確かに…今は無理に進むべきじゃない」
ツヨシは少し肩を落としてから、ティナに向かって微笑んだ。
「洞窟は明日にしよう。今日のところは、明日に備えて、しっかり休むべきだと思う」
ティナはうなずきながら言った。
「そうね、明日が大切だもの。今は無理せず、明日には確実に準備万端で臨みましょう」
ティナの表情は、ツヨシと同じように前向きで、少しの疲れを感じさせながらも、確かな決意が込められている。
二人は互いに頷き合い、急いで街へ向かうことに決めた。
空はすっかりと夜の帳が下り、町に向かう足元を照らすのは星々だけだった。
夜の闇が深まる中、二人は街へと急いだ。
街に着くと、ツヨシとティナは食堂に行った。食事を取りながら、ティナが微笑んで言った。
「本当にありがとう。ずいぶん疲れたでしょう。いっぱい食べて、栄養をつけてね」
ツヨシは満足げに頷きながら答えた。
「今日はとても腹が減った!いっぱい食べるよ!」
ティナはうれしそうに笑った。
「さっき、魔物を倒したときに使った光る円盤にも、何か名前をつけましょうよ。何かいい名前はないかしら?」
ツヨシは少し考えてから答えた。
「光る円盤か・・・確かに光っていたけど、何か強烈なエネルギーみたいなものが放出されているように見えたんだ。名前は『エナジー カッティング ディスク』なんて、どうだろう?」
ティナは嬉しそうにうなずきながら答えた。
「すごくかっこいい名前だわ!素敵ね」
ティナは少し照れくさそうに、でも真剣な眼差しで言った。
「ツヨシ、実はさっき、魔物を倒したときに・・・あなたが本当に輝いて見えたの。まるでこの世を救う無敵の勇者みたいに・・・。」
ツヨシは驚きの表情を浮かべながらも、少し動揺しつつ答える。
「そんな、俺なんて…」
ティナは真剣に言葉を続けた。
「でも、ツヨシ、私はずっと思ってたの…。あなたと一緒にいられるなら、どんな冒険も怖くないって…」
ツヨシの胸が高鳴り、彼女の瞳を見つめ返した。
ティナは少し顔を赤らめながら、今度は少し恥ずかしそうに言った。
「だから、ツヨシ…いえ、ツヨシ様…私と結婚してほしいの」
(続く)