第28話 - 「鋼鉄の罠」
次の日の夕方、ツヨシ、ティナ、エミリアの三人は、敵の基地の前に立っていた。
目の前にそびえる敵の基地は、ツヨシの想像を超える巨大さで、強固に見えた。
鋼鉄の壁は冷たく、無数のセンサーが周囲を監視しているかのようだった。
しかし、意外にも敵の基地には、予想以上に簡単に侵入できた。
エミリアの案内で裏口から入ったのだが、警備兵はおらず、周囲の警戒も薄かった。
周囲は静まり返り、まるで誰もいないかのようだった。
静寂の中、風が時折吹き抜け、その音が不気味に響いていた。
「あれ?こんなに簡単に入っていいのか…?」
ツヨシは拍子抜けしながらも、エミリアに尋ねた。
彼の心の中には、不安と疑念が渦巻いていた。
果たしてこのまま何事もなく進めるのか、心配で仕方なかった。
エミリアは、不敵な笑みを浮かべながら、落ち着いた口調で答えた。
「…ええ、問題ないわ。すべて、計画通りです。」
エミリアのその言葉には、自信が満ち溢れているように見えた。
エミリアは、そう言うと、壁にあるボタンを押した。
すると、次の瞬間、部屋の奥から鋼鉄の扉が重々しく開き、無数のアンドロイドが姿を現した。
彼らの冷たい目が光り、まるで獲物を狙うかのような鋭さを帯びていた。
ツヨシはその光景を目の当たりにし、恐怖が彼の心をつかんだ。
「…エミリア、一体どういうことだ…?」
ツヨシは驚愕しながら、エミリアに詰め寄った。
その目には疑念と怒りが混ざり合っていた。
エミリアは、少し困ったように微笑みながら、ゆっくりと口を開いた。
「ツヨシさん、ティナさん、今まで隠していてごめんなさい…実は私は、C連邦に捕らえられた後、C連邦側のスパイになったの…」
その言葉に、ツヨシとティナは一瞬言葉を失った。
信じがたい事実が突き刺さるように心に響いた。
エミリアは、アンドロイドたちに命令した。
「この二人を捕らえろ!」
その瞬間、アンドロイドたちは、一斉にツヨシとティナに襲いかかってきた。
「くっ…騙された…!まさかエミリアが、C連邦のスパイだったなんて…」
ツヨシは、ビームライフルを構え、必死にアンドロイドに立ち向かった。
ティナも負けじとハンドガンを構え、応戦する。
しかし、アンドロイドの数はあまりにも多く、ツヨシたちは次第に追い詰められていった。
ティナのハンドガンから発射された弾丸は、アンドロイドにヒットしても、ほとんどが弾かれていた。
「ティナ、大丈夫か…?」
ツヨシは心配そうにティナを見た。彼女の表情には、恐怖と不安が色濃く浮かんでいた。
ティナは、必死にハンドガンで応戦しながら、息を切らして答えた。
「ハンドガンが、ほとんど効いてないみたい…!」
絶望的な状況の中、彼女の声には疲労が滲んでいた。
その時、エミリアが、ツヨシとティナに告げた。
「…無駄な抵抗はもうやめてください。あなたたちは、この基地でアンドロイド化し、C連邦のスパイになっていただきます」
その言葉は、まるで彼らの運命を決定づける冷たい宣告のように響いた。
アンドロイドたちは、再びツヨシたちに襲いかかってきた。
ツヨシとティナは、力を合わせてアンドロイドたちと戦った。
しかし、アンドロイドの数はあまりにも多く、二人は次第に追い詰められていく。
ツヨシとティナの心には、絶望感が広がり始めていた。
「なんとか逃げる方法を考えなければ…!」
ツヨシは思考を巡らせながら、アンドロイドたちの動きを観察した。
ツヨシの頭の中には、逃げるための戦略を練るための思考が渦巻いていた。
ティナも同じように考えていたが、次第に体力が消耗し、集中力が削がれていくのを感じていた。
「まだ諦めないぞ…!絶対に…!」
ツヨシは力を振り絞って叫んだ。その声は、彼自身を奮い立たせるためのものでもあった。
ティナもその声に応えるように、再び立ち上がる。
ツヨシとティナは、最後の力を振り絞り、アンドロイドたちに立ち向かう決意を固めた。
ツヨシとティナの心には、希望の光が残っている限り、決して負けるわけにはいかないという強い意志が宿っていた。
(続く)