第25話 - 「揺らめく心」
ツヨシとティナ、そしてエミリアの三人は、長い砂漠の旅路の末、ようやく最初の街にたどり着いた。
高い城壁に囲まれた街は、砂漠のオアシスのように緑と水に恵まれ、人々の活気に満ち溢れていた。
「砂漠にこんな立派な街があるなんて、すごいわ…」
ティナが驚いた様子で言った。
「ああ、ここならしばらく休めそうだな」
とツヨシが答えた。
彼らが話しながら歩いていると、ゲートの前で衛兵に呼び止められた。
「旅の者か? 身分を証明できるものはあるか?」
ツヨシはエミリアを前に出し、彼女に説明を任せた。エミリアは衛兵に向かって優雅に微笑みかけた。
「ご心配なく。私はこのエリアの監視員です。この二人と宿をとるためにこの街に立ち寄りました」
エミリアが証明カードのような物を見せると、衛兵はすぐにゲートを開けた。
「監視員でしたか。それなら問題ありません。どうぞお入りください」
ツヨシたちは衛兵に礼を言って、ゲートの中へと入った。
街は活気に満ち溢れ、様々な店が軒を連ねていた。色とりどりの商品が並び、道行く人々の笑い声が響く。
「まず宿を確保しよう」
とツヨシが提案した。
彼らはホテルで宿泊の手続きを済ませ、部屋に荷物を置いた後、ツヨシは武器屋を見つけると、早速、中へと入っていった。
ティナは武器屋で可愛い物を物色していた。
「…ねえ、ツヨシ、このグローブ、ピンク色でかわいい…♡」
彼女が指差したグローブに目を輝かせている様子が微笑ましい。
その時、エミリアが声をかけた。
「ティナさん、もし良かったら、非常食を調達しに行ってくれませんか?私はツヨシさんと一緒に武器や弾薬を見てみます」
ティナはエミリアの突然の提案に少し驚いたが、
「…そうね、私は武器や弾薬のことはよく分からないし…非常食を調達してきます」
と、少しすねながら承諾した。
ティナは一人で買い物に出かけ、エミリアはツヨシと二人で武器屋に残った。
ツヨシは弾薬を物色していると、ふとエミリアの視線が自分に向けられていることに気づいた。
「…ツヨシさん、私、ちょっと疲れたの。ホテルの部屋に連れて行ってくれない?」
エミリアが少し恥ずかしそうに言った。
ツヨシは一瞬驚いたが、彼女の真剣な表情を見て頷いた。
「大丈夫?連れて行くよ」
ホテルの部屋に着くと、突然エミリアはツヨシに近づき、彼の腕に触れた。
「ツヨシさん…私、あなたのことが…好きよ」
と、彼女はツヨシの耳元で囁いた。
ツヨシは、エミリアの突然の告白に驚き、戸惑いを隠せなかった。
その時、ティナが部屋に入ってきた。エミリアはとっさにカーテンに隠れた。
「ティナ、どうしたの?」
ティナは恥ずかしそうに言った。
「部屋に財布を忘れて…取りに来たの…。ツヨシ、もう部屋に戻ってたの?」
ツヨシはとっさに答えた。
「あぁ、…僕も財布を忘れて…」
「そうなんだ。同じだね。エミリアは?」
ティナが尋ねると、ツヨシは焦りながら適当に答えた。
「えっと、一人で行きたいところがあるって言ってたから、そのうち戻ってくるんじゃないかな?」
ティナはツヨシに甘えた声で言った。
「ねえ、ツヨシ…一人だとやっぱり寂しいから、一緒に来てほしいの…♡」
ツヨシは少し戸惑ったが、ティナの笑顔に心を動かされて頷いた。
「うん、分かった。行こう」
二人は一緒に部屋を出て行き、エミリアはカーテンの陰からその背中を見送った。
ツヨシとティナは、2人で非常食と弾薬を補充した。
「武器は、特に良さそうな物はないな…ティナは?」
「今のところ…ないかな。これ以上増えたら、運ぶのも大変だし…」
ツヨシとティナがホテルの部屋に戻ると、エミリアは部屋にはいなかった。
「エミリア、まだ戻ってなかったみたいね…」
ティナがそう言うと、机の上に1枚の手紙があるのを見つけた。
「急用ができたため、今日はこの部屋に泊まれません。 明日、同封した地図の場所で会いましょう」
ティナが地図を見ながら戸惑った表情を浮かべる。
「ツヨシ…どうする?」
「どうするって…行くしかないだろう…」
ツヨシとティナは、とまどいながらも、明日、地図に示された場所へ向かうことを決意した。
(続く)