第18話 - 「迫りくる恐怖」
その時、奥の方から微かな音が響いた。
最初は、何かが小さく動く音のように感じられたが、次第にその音は大きくなり、響き渡るように変化していった。
地面を震わせるような、重く圧倒的な足音が徐々に近づいてくるのを感じた。
ツヨシの心臓が速く打つのを感じながら、必死にその音の正体を探ろうとした。
足音は、まるで地下から伝わってくるように、地面を引き裂くような音を立てる。
ツヨシは息を呑み、目の前に迫るその影を必死に見つめた。
その瞬間、巨大な影が奥から姿を現した。
それは、巨大な蜘蛛のゾンビだった。
その巨体は、目の前に立ちふさがるように現れ、何とも恐ろしい姿をしていた。
膨れ上がった体は異常に大きく、無数の鋭い脚が不気味に動き、蜘蛛の腹部は異常に膨らんでいた。
その目は無機質に、ただひたすらにツヨシたちを見つめている。
光を一切反射しないその目が、闇に沈んだ空間をじっと見つめ、ツヨシはその視線を受けるだけで身の毛がよだつ思いがした。
「そんな…蜘蛛までゾンビ化してるなんて…」
ティナの声が震えながら漏れた。
確かに、目の前の巨大な蜘蛛ゾンビは、信じられない姿だった。
体は膨れ上がり、異常に重く、大地を揺らしながら歩み寄る。
その脚はまるで大地を引き裂くかのように強く踏みしめており、地面に刻まれるひび割れからは新たな蜘蛛の糸が張り巡らされていく。
周囲の糸はその足音に応じるかのように震え、まるで生きているかのように動いている。
「ひぃ…」
ティナは、泣きそうな顔で、震えながら、ハンドガンを何発か発砲した。
しかし、巨大な蜘蛛のゾンビには、まったく通じていないようだ。
ツヨシはすぐに戦闘態勢に入ろうとした。
だが、目の前の蜘蛛のゾンビとその周囲の糸の広がりを見て、ツヨシは次第に追い詰められていることに気づく。
蜘蛛の糸があまりにも広すぎて、逃げる場所はどこにもない。
周囲に張り巡らされた糸は、まるで獲物を捕らえるように彼らを囲んでいく。
ツヨシは焦りを感じながらも、冷静を保とうと必死に周囲を見渡す。
足元にはすでに蜘蛛の糸が絡みついており、その重さに動きが鈍くなる。
「逃げられない…!」
ティナが震える声を発した。その恐怖が、彼女の声にのって空気を震わせる。
ツヨシはその声を聞き、さらに冷や汗をかきながらも、何とか次の手を考えなければならないと自分に言い聞かせる。
だが、時間が経つにつれ、ますますツヨシの足も動きづらくなっていた。
進むことも後退することもできない。絶体絶命の状況だった。
「これを使うしかない!」
ツヨシは腰のカメラを手に取り、フラッシュを使うことを決意する。
カメラのフラッシュは、強力な光を放ち、目の前の敵をしばらく眩ませることができる。
カメラのボタンを押すと、その瞬間、強烈な光が闇を切り裂いて広がった。
フラッシュの光が爆発的に広がり、蜘蛛のゾンビの目を貫いた。
その瞬間、巨大な蜘蛛のゾンビが一瞬、動きを止めたかと思うと、その場でもがき始めた。
ツヨシはその隙を逃さず、すぐにヨーヨーの攻撃で、光る円盤を放った。
光る円盤はまるで刃物のように鋭く飛び出し、巨大な蜘蛛の体を容易に切り裂いていった。
しかし、その体はあまりにも巨大すぎて、決定的なダメージは与えられなかった。
(続く)